午前4時過ぎに起きて、書斎の掃除をする。土曜日は紙のゴミの収集日で、たまったスクラップの中から不要なものを片っ端から捨てていく。スクラップの愉しみは、記事を読んで、赤のサインペンで印をつけ、切り抜く所にある。が、これらをしばらく寝かせておいて、1ヶ月ほどしてから必要な記事とそうでないものとを再チェック、つまり取捨選択するのも面白い。

「アベノミックス」をとりあえず切り抜いておいても、当然1ヶ月後には不要な記事が沢山出てくる。見通し記事が当たったかどうかは、だいたいこの時点で分かる。こうした切り抜きだけでなく、週刊誌の記事で残すものも選び出すのだが、このところ週刊誌各誌とも「これは!」という特集記事が少ない。

8月に入ってから2回めの大整理。大量の資料やスクラップブックを廃棄したのだが、特に過去1年間利用しなかったものは、バンバン捨てた。これまでは、「迷ったら残す」方針だったため、結局整理がつかなかった。今回は逆に「迷う程度のものなら捨てる」と意識改革?した。これで狭い6畳の書斎が、随分片付いた。

書いたことがあるかもしれないが、本田靖春さんが元気な頃、午後11時過ぎに奥さんから自宅に電話がかかってきたことがある。「本田が、『成和クラブ』について書いたルポをさがしているのですが、『小俣さんなら持っているだろうから聞いてみてくれ』と言うんです」とおっしゃる。「持っていますから、コピーして郵送します」というと、「いま必要らしいんです」と言いにくそうな返事だった。「あぁ簡単ですよ、コピーしてFAXしますから」と、その間15分ほどのことだったような気がする。何でも取っておいた時代のことだ。

『季刊 まだんー在日朝鮮・韓国人のひろば』という創紀房新社から出ていた雑誌に書かれた「帰化人グループ<成和クラブ>を訪ねて」という9ページほどの記事だった。本田さんの肩書が「ルポライター」とあるのも珍しい。いまは便利な時代になって必要な資料は、インターネットで検索すればほとんど出てくる。そこで先の英断となった次第だ。

ここで在日朝鮮・韓国の話題を持ちだしたのは、理由がある。生まれて初めてといえるほど、度肝を抜かれる場面、いや光景を見たからだ。午後2時まで、例によって添削をしたり、本を読んだりして過ごした後、自転車に乗って市民プールに出かけた。途中新横浜の駅が人の波で、自転車がしばしばストップさせられる。「何んなんだよぉ」と思いながらも、自転車を降りて押したり、また乗ったりしながらやっとの思いでプールに到着した。

まだ行きは良かった。午後5時前、帰りの道がない。デモじゃない。しかし人、また人の波が延々と続く。自転車を迂回させて幹線道路の脇に出ると、これまた同じ状態で、しかもタクシーの行列だ。最初は市民プールの上の「日産スタジアム」でサッカーの試合が開かれているのかと思った。ところが、よく見ると人の波を形成しているのは、30代から50代、いや60代も紛れ込んでいるような、元お嬢さん、元お姐さんばかり。しかもほとんどが、「O阪のおばさん」化している集団だ。つまり「他人の迷惑考えず、唯我独尊、自己中心、他人のモノは私のもの、私のモノは私のモノ」のあのO阪のおばさんたちだ。

とは言え、付いて行きたくなるような美形もいて、思わず「何の集会ですか?」とわざわざ選んで、訊いてみた。「クックッ・・・」とその美形は笑ったあと「トウホウシンキ」とハニカミながら応えた。「東宝新規」? 東宝シンデレラ・ガールのコンテストか?と瞬間思ったが豈図らんや。ナント韓流スターたちのグループ名だったとは。漢字で書けば、すぐ分かる、というか言われてみれば、新聞の広告欄で見たことがあるような気がする。「東方神起」だ。ヘイトスピーチの連中が見たら、度肝を抜かれるほどケタ違いの熱い、いや暑い、光景だった。ところでこの「東方神起」はわざわざ韓国から来たのかね?

ちなみにこの日のプールの中も、70代と思しき「O阪のおばちゃん」風4人組が、ウオーキング用レーンの一番端で、井戸端会議をやっていて邪魔でしょうがなかった。プールから上がって話せばいいのに、水の中で「温泉気分」でしゃべり続けている。仕方がないので隣のレーンで泳いでいると、休場中のお相撲さんが来ているのかと思うほど、私の倍ほどある、いやそれ以上だな、しかも女性だが、ワッシャ、ワッシャとクロールで泳いでいる。跳ね飛ばされそうで怖いので、またウオーキング用のレーンでチマチマ平泳ぎをする。ところが今度は熟年夫婦か愛人か、3回に1回は手に手をとって泳ぎについて語り合っている風の新手のカップルがいて泳ぎにくい。何処へ行っても人、人、人の午後だった。

娘は、朝8時半過ぎから府中の競技場で4000メートル1本と200メートルを3本走り(と本人が言っていた)、午後から津田沼の予備校に行き、ようやく午後7時前に「高知のおみやげ、みんな喜んでいた」と声を弾ませて帰ってきた。娘の解説を聞きながら「世界陸上」を見る。彼女は中本健太郎贔屓だ(今朝知ったのだが、マラソン5位だった)。その娘が大好物の「本マグロの赤身」(私はトロの方が好きだが)と「タタキきゅうりの生姜ポン酢しょうゆ漬け」、またまた「ゴーヤチャンプル」ただし豆腐と卵抜き、それにマグロ屋特製のイカの塩辛、山芋のザクをつまみに「北雪」の残りを飲む。Fちゃんから届いたスイカは、真っ赤、美味い。本当の昔のスイカの味だった。Fちゃん!! Bエス11退職したらスイカ農家始められるよ。(8月18日)