午前中から大学に出かけた。6日から夏休みだったので、荷物が届いているうえ、後期の『現代国際情勢』の講義で、事前に調べておきたい項目がいくつかあって、その関連の文献や資料が研究室にあるためだ。

後期では、細谷雄一さんの『国際秩序』(中公新書)をテキストにするので、学校の売店にも最低100冊は揃えておいて欲しいとお願いしてある。今日日(きょうび)の大学生は本はもちろん、教科書も買わんからなぁ〜。日曜日にスクラップをしていて、A日かM日に細谷さんのこの本の広告が出ていた。私はN協会随一の国際ジャーナリストで、ハーバードの大学院で国際政治学を学んだ元ロンドン特派員で、”大記者“としても著名なK場武彦さんからこの本を紹介されて読んだ。

私とは立ち位置が異なるものの、といえるほどの立ち位置は私にはないが、「ビスマルク体制」「冷戦体制」「現在の国際秩序」を形成してきた背景などが、恐ろしいくらいの文献や資料に裏打ちされていて、実に瞠目させられる内容だ。さっそく彼のこれまでの著作をすべて購入して、すでにいくつか読んだが、『外交』(有斐閣)は肩肘張らずに読めて面白かった。そっちの方が、都市大の学生向きかもしれないが、(『国際秩序』のような)背筋を伸ばして読む本を手にすることも都市大生たちには大切だと思っている。

こういう学者の本を手にとるたびに、凜とした気持ちになる。学生時代に恩師のK島晋治先生から「大学院で、台湾をやりませんか」と声をかけられた日のことを思い出す。インターネットが無い時代に、文献や資料を神田や西早稲田、中央線沿線の古書店で探して回る愉しみ。いろんな図書館に出かけたりアジア経済研究所などの資料室を覗かせてもらったりの生活も実にワクワクするものがあった。

それでも記者を選んだのは、それ以上にワクワクさせるものがあったからだと思う。郷里杵築の書庫には、1970年代に収集した膨大な量の中国文献がある。代々木にあった台湾系の書店で求めた文献もある。娘がこれらに興味を示してくれればと密かに願っているのだが、枕元には『陸上競技』の雑誌が積み上げられていたり、深夜こっそり起きだして「世界陸上」のビデオを何度も見ている姿からは、どうも期待できそうにない。

それにしても研究室は暑い。室内温度が28度以下にならないように設定しているためなのか、こういうところが不思議な大学だ。「環境」を意識した環境情報学部時代からの伝統らしい。効率が悪いので、夕方4時半過ぎに引き上げた。センター北にある「フジストアー」の鮮魚部で、天然のハマチ、天然ぶりのカマ、生若布を買う。この店は偶然見つけたのだが、ここにいる同年輩の親父さんが、実に歯切れがいい呼び込みをする。しかも魚の選定もしっかりしているし、とにかく種類が豊富だ。白楽の「雑魚市場」もいいのだが、わざわざ回って行かなければならず、ついつい帰りにこちらに立ち寄ってしまう。

レジに向かう途中、誰かが呼ぶような気がする。おやっ?と振り返ると「酒悦」の福神漬があるではないか。「な〜んだ、お前か」と手に取る。私は、いまでこそこの福神漬なしでもカレーを食べられるが、以前は必ずカレーの友として、いっしょでなければ気分が悪かった。この福神漬を食べると他のものがいかに偽物か、いや失礼、まやかしか、いやいや申し訳ない、とにかく段違いだと瞬時にわかるほど、感動を覚える逸品なのだ。知ってるよね。それにしても、なぜOKストアーは置かないんだろうか。特別高いわけではないのに。近々カレーにしたいな、これ喰いたさに。

大阪にコンサートに出かけていた娘と家人は朝一番で帰ってきたが、朝食を済ますと家人は実家の用事で出て行った。娘は昨日のコンサートでS台予備校四谷校の講義を受けられなかったとかで、それと同じ授業をしている千葉の津田沼校まで出かけていった。その娘を迎えに午後6時半過ぎ、駅近くにある待ち合わせ場所の絵画教室に出かけたら、カナダから夏休みで帰ってきたという友人と涙の対面をしていた。「まぁゆっくり話してから帰ってくればいいよ」と自転車を置いて、私はテクテク山の上まで歩いて帰る。

夕食時の酒は、オールフリーにしたので、じゃ酒じゃないか、一眠りした後アマゾンから届いた半田滋さんの『集団的自衛権のトリックと安倍改憲』(高文研)を読む。実に明確。的を射ている。好いね。多くの人に読んでもらいたいな。それにしてもT京新聞というのは不思議な新聞だ。こういうジャーナリスト然とした論説委員もいれば、安倍首相の腰巾着、いや失礼、御用ジャーナリストもいて、バランスをとっている?のかな。

K知新聞のT田昌幸さんからメールが届いた。私が高知に行っていたのを友人から聞いて、このブログを読んだそうだ。高知は沖縄同様に大好きな土地柄なので、また行きたい。N田知佑さんから、「いまは仁淀川より再び四万十川のほうが綺麗になっているから、いっしょに下りましょう」と言われている。そのときは是非いっしょに。(8月15日、あっ敗戦記念日だ)