風邪は、結局A馬病院の治療や薬や美形の受付嬢では治らず、12日金曜日の授業の後、銀座のM田クリニックに行って、糖尿病患者専用の治療と薬を出してもらった。薬をすぐ飲んだお陰で、咳をするたびに肋骨が折れそうなくらい痛かったのが、まず咳が、続いてタンが、さらに鼻水が止まった。ヤレヤレと行きたいところだが、木曜日から首が回らない。右斜めを見ているだけで、振動すると飛び上がるほど痛い。咳でもしようものなら、大騒ぎだ。授業中も咳をしないように気をつけるのだが、喋ると出てくる。辛い。

身体がネチネチ気持ちが悪いので、日吉の「無印良品」で買っておいたパンツとシャツを持って四谷の「塩湯」に寄る。1時間、じっくり熱い、熱い、43度〜45度くらいの風呂にはいる。体中がほぐれるような。久しぶりに刺青をした中年の男性をみた。倶利伽羅紋々という感じではなく、若いデザイナーぽい、紫色と緑が鮮やかな桔梗の彫り物だった。昔あった新宿の十二社温泉に行くと地元のテキ屋かヤクザのお兄さんが来ていて、小さなサウナの中でよく話をした。

子供の頃、近所にあった建設会社で働いていた人たちの中に、元博徒が結構いて、堤防工事の時などハッピを脱いで裸になるとみな「唐獅子牡丹」のような刺青を背負っていた。そういう人たちを祖母が可愛がっていて、うちの縁側でよく昼の弁当を使っていた。そんなとき、後ろに回って刺青を貼り絵かと思って剥がそうとすると、「一平ちゃん、痛い、痛い」と嫌がられた。そういう経験があるから、刺青の人に会っても、特別驚くことがなく、十二社温泉でも親しく話すものだから、「お兄さん、あんた何の仕事ね」と逆に聞かれたものだ。

鹿児島時代もK桜一家という地元のヤクザの親分で、たしかJ宮寺さんという組長とサウナで一緒になって、同じ事を聞かれたことがある。そのときも「記者です」というと、「そうやろうね、肝がすわっている」と言われた。別に肝がすわっていたわけではないのは、先の話でおわかりだろう。J宮寺さんからは、サウナで会うたびに、「昼飯ご馳走するから」といわれるのを断るのに苦労した。たしかJ宮寺さんは、墨を入れてなかった。

県警捜査2課暴力団担当のT川さんのところに夜回りに行くと、「J宮寺に飯誘われて断ったでしょう」と言われて、吃驚した。全部情報が筒抜けだった。おかしいのは、J宮寺さんから、「息子がいうことを聞かないで困っとるんですよ、どうすりゃいいですかね」と打ち明けられ、思わずいい親父さんやなと笑ってしまった。ヤクザ話は新書本一冊は書けるくらいあるので止める。

熱い風呂とサウナのお陰で快調(な気分)?。そのまま万作に行くと主賓のほうが先に来ていた。この日は、大切な「祝賀会」。B藝春秋の取締役に大親友のK俣ちゃんが、また週刊A日の副編集長にこれまた大の仲良し、もちろん何もしていないけど、何もないけど仲良しの女性は多いもんさ、ほとんどそうだけど。そのM下香枝ちゃんが就任。日頃から仲良しのM串、F木、M山、私の4人で久しぶりに暑気払いも兼ねて祝った。

K俣ちゃんといえば、30数年前に会った時から私は、すでに専務になっているM井(清人)さんとK俣ちゃんは、「将来役員になる」と断言していたので、まぁ想定通りだ。なぜそう思ったかといえば、とにかくすべてが「速達」なのだ。お礼状から資料を送ってくる時から、こと細かいことまで郵送となると2人は必ず「速達」に徹していて、昔の出版人気質を感じさせた。それも1回、2回じゃなくて、ず~とそうだから「違うな」と思わせた。

香枝ちゃんは、O阪新聞の特ダネ記者で、その後日刊G代に移った。そこでも活躍がすごく、とうとう週刊B春の記者になって活躍していると思っていたら、今度はA日新聞の社会部に引きぬかれて、さらに週刊A日と流石のさっちゃんじゃない、香枝ちゃんだ。

老人が集まると、いや香枝ちゃんは40歳くらい、どうしても健康話に。M串さんがT京新聞の「がんと暮らして」の50回の連載が終わったこともありM串節が炸裂。続いて60代のアイドルは誰かという話で、内藤洋子、酒井和歌子、松原智恵子、吉永小百合、和泉雅子話で盛り上がる。私は若尾文子が好きだった。もちろん内藤洋子も酒井和歌子も。こうした雑談に、内田樹さんや鹿島茂さん、亀和田さんの話などが入り交じって、それぞれのウンチクも入るのでそのまま雑誌の座談会記事になりそう。

M串さんの自宅に、いま娘さんの留学時代のフランスの友人が泊まりに来ているとかで、Mさんは「少しつきあわなくっちゃ」と云って8時半過ぎに一足早く帰って行った。我々は、その後も色んな話が面白くて10時半まで飲んで引き上げた。私は南北線で白金高輪・日吉経由で帰ったが、だんだん身体が辛くなった。やはり6月29日以来久しぶりに飲んだビール1杯と北雪純米酒1杯がたたったか。

土曜日めざめて絶不調。元気を出しすぎた。まず首が全くといっていいほど回らない。そこで午前中妙蓮寺駅近くの中国整体に行ったが、ますます悪化。整体師が気の毒がって料金をまけてくれたくらいで、とにかく首が回らない。回すと痛っ痛っ痛っ。すわって原稿は書けるので、期末試験の問題を作る。「現代社会とメディア」は、完成。あすは「現代ジャーナリズム論」と「現代国内情勢」をつくらなくては、19日が締め切りだ。それにしても横になれない。43度の風呂に入って身体からほぐしてみる。まだまだ絶不調。(7月14日)