月曜日の午前10時にS版ニュース社のK田編集長に「原稿送りましたが・・・」と電話をすると、どうも反応が鈍い。こういうのは、書き手にはすぐ分かる。気に入らないのだ。おかしいな?「弓立社を継承して」というタイトルにあうように、まず出版された吉本隆明さんの『敗北の構造』で弓立社を知ったところから始まり、M下和夫さんとの出会いと30年の付き合い、さらに引き継ぎ、『デスク日記』を出版するまでを綴ったのだが、どこがお気に召さなかったのか。

話をしていると、『デスク日記』を中心に書いて欲しかったようだ。でも「弓立社を継承して」という原稿の中に、『デスク日記』を出版した経緯を入れてもらえればいいと言われたような気がしたけれど。しかし、あの風邪で、体調不良の時に引き受けた話だ。私の方が勘違いしているのだろう。そこで、「締め切りはいつですか」と尋ねると、「今日です」というから、「そりゃ無理です。これから講義が二つあって、帰宅するのは夜10時すぎると思います」と応じるしかなかった。それを気の毒に思ったのか、「あす一番で戴けるのなら、待ちます」と言われた。テーマさえハッキリしていれば如何様にも書けるわけで、1日締め切りを延ばしてもらった。おそらく私の執筆人生で、締め切りを過ぎたのは、初めてのような気がする。締切りをやたらと早めに設定しているN協会の『放送研究と調査』などは、4〜5日遅れることを前提で、締め切りを設定しているとしか思えないので、少々遅れてもあまり支障がないと思われている。しかし「S版ニュース」は旬刊誌なので、きちんとしなくては。

月曜日も体調は悪いままだ。本当に風邪が抜けない。男女の学生たちが、すれ違いざまに「おまっさん、大丈夫ですか」「風邪治りましたか」と声をかけてくれる。この大学の好いのは、素直で真面目な子供が多いことだ。この日も「情報発信入門」の授業中に、他の授業の宿題をしている連中がいたから、「この授業以外のことをしている奴、出てくれ。もう受けなくていい。出ろ!!」と怒鳴ったら、急に発表用のパワーポイントを作り始めた。確かに素直だ。しかし、大声で怒鳴るといかん。また咳が出る。

本当は休講にしたいのだが、いまの文部科学省は、前期(後期)15コマの授業をピッタリやるように指導しているらしい。大学の自治とか独立とか、今は言わないんだなぁ。学期末が近い今となっては、補講をやる時間が取れないのが実情だから、がんばるしか無い。

W稲田に行くためあざみ野に出たら、田園都市線は事故か何かで運休している。仕方がないので、市営地下鉄で日吉に戻って、ちょうど来た急行志木行きに飛び乗った。西早稲田駅に着くと外は土砂降りと落雷。よく考えると何も食べていないことを思い出し、雷除けに戸塚の交差点にある「エチオピア」に入った。久しぶりにエビ野菜カレーを食べたが、この店のカレーは香辛料が効きすぎているのを忘れていた。といっても鼻が詰まっているのだから、偉そうなことは言えない。授業は順調だったが、体力の限界を感じはじめた。辛い。でも帰ったら原稿を書かなくては。

夜10時半前に帰り着いたが、風呂にはいるのが精一杯。とにかく眠る。体温は37度2分。気がついたら午前5時半過ぎだった。原稿の題名が変わった。「いまなぜ『デスク日記』なのか〜弓立社を継承して」である。先月23日に文京シビックホールのシンポジウムの挨拶で、同じ内容の話をしたから、文章はスラスラ出てくる。いつものように午前7時半にBSであまちゃんを見て、一気に書き直す。ここへきて、MacBookAirの調子が悪い。せっかく送った原稿が「送信済み」のところに出てこない。焦る。何度か試みてやっと送れた。午前9時半を回っていた。『S版ニュース』の原稿が書店員さんの目に止まって、注文が来れば、こんな苦労もなんのそのだ。午前10時過ぎ、K田さんからOKが出た。ヤレヤレ。

咳と鼻水、タンがますますひどくなる。熱はそれほどない。36度8分だ。逡巡したが、A馬病院に行く。これで3回めだ。やはり薬がないと沈静化しない。いつものモデルのような超美形の受付嬢がいない。がっかり。それでまたどっと悪くなったような・・・。

ゼミの発表は、今日が最終回。最後なのでみんなにアイスクリームを振舞った、というより咽が痛くて私が冷たいものを食べたかったのだが。次回からは合宿に行く沖縄について、各人各様に調べてプレゼンしていく。彼らの計画では、9月10日那覇市集合、13日現地解散だという。13日以降は、4年ぶりにひとりで波照間に行ってみようかと思い始めている。南北大東島もいいな。

午後3時からの教授会は長かった。実に2時間32分。少し休憩を挟んで、午後6時15分から、今度は大学院の教授会。私は大学院の授業は1コマ持っているだけで、論文などの指導はしない、というかそういう資格が無い。それは研究者出身ではないので当然だが、その代わり、自分の持ち場で頑張ればいいと割り切っている。こちらの教授会は、論客のF井先生が司会なので、テキパキと議案は処理され、さっさっと終わる。洟も咳もタンも相変わらずだ。あすは授業を入れていない宅調日なので、うちで一気に『隷従への道』を読破しなくては、木曜日午後の締め切りに間に合わない。とにかく、もう寝よう。(7月9日)