6日(月)の祝日振り替えは、都市大もW稲田とも授業があった。W稲田の方は、この1カ月ばかり「調査報道」の概論や歴史を講義してきたが、この日から院生たち独自の取材報告が始まり、ワクワクするほど面白い。大学院生とは思えないほどレベルが高い。ある市の税金の使い方に問題があるのではといった指摘から、すぐ新聞記事になりそうな好いネタがいくつかあって、最終報告が愉しみだ。
 授業開始直後、見慣れた女の子が入って来て講義を聞いている。あっKちゃんだ!! いまはN協会の地方局で記者をしている。(以前、T島局の記者が大学に遊びに来たことを書いたら、先輩にいじめられて気の毒なことをした。だからだれがどう思うかわからないので、詳細は省く)Kちゃんには、月曜日にW稲田で教えていると話しておいたので、教室を探してきたという。そんなことすっかり忘れていた。
 授業が終わってから、贔屓の「ママキムチ」に、院生2人を連れて4人で晩飯を兼ねて飲みに行った。新学期に入ってから「ママキムチ」は、初めてだ。ここの海鮮鍋が美味いのだが、この日はやってなかった。院生の靍ちゃんは、H海道大学から進学してきたばかりだという。もう1人のT良君は、すでにA日新聞記者の内定をもらっている。靍ちゃんも新聞記者志望だけに、T良君同様、N協会の女性記者の話に熱心に耳を傾け、トコトン質問していた。好いな、やる気のある若者は。
 7日のゼミは、都市大学に来てから最も充実した1番の内容だった。今年のゼミ生はレベルが高い。まずキチンと予習してからゼミに臨む。これが他大学、いや他のゼミでは当たり前なのだろうが、私のゼミはこれまで怠惰な学生が少なからずいて、その連中が全体のレベルを下げていた。今年はそんな学生が1人もいないのが良い。酒を飲みに行っても全員参加で、これまた気分が好い。これまでは「バイトがあります」「先約があります」など何やかやと理由をつけて参加しない。だから懇親会らしい飲み会をやった記憶が乏しい。その点今年は4年前の連中とよく似ている。ゼミでは、今月は「アベノミクス」が統一テーマだが、微に入り細を穿つように調査項目を提示してくる。新聞班、雑誌班、インターネット班はパワーポイントを駆使しながら解説してくれる。テレビ班は、…くち張りだったが、内容は高かった。この積み重ねが重要だ。
 8日は終日T京新聞の原稿書きのため、朝早くからここ1カ月間のスクラップをチェックし、重要な個所や気になった社説を読み返す。「戦間期」(第1次大戦終結の1919年~第2次大戦勃発の39年まで)について触れようと書きはじめたのだが、新聞コラムの分量は1075文字が目安のため、とても入りきらない。何度も何度も推敲を重ねるのだが、時間ばかり喰ってしまって、結局そのことには触れずじまいだった。(記事は、以下である。)

 9日、10日と、4つの授業とも絶好調だった。この間も、「本を読もう」が口癖で、今週紹介した本は、以下の通り。①モルガン(モーガンとも記す)の『古代社会』(上・下)②同じくモルガンの『アメリカ先住民のすまい』(いずれも岩波文庫)③マリノフスキーの『西太平洋の遠洋航海者』(講談社学術文庫)④新井白石『西洋紀聞』(東洋文庫)⑤藤沢周平『市塵』(講談社文庫)⑥ブラック『ヤング・ジャパン(1・2・3)』(東洋文庫)⑦三好徹『近代ジャーナリスト列伝上・下』(中公文庫)⑧加藤秀俊・前田愛『明治メディア考』(中公文庫)⑨中村正則『戦後史』⑩石川真澄・山口二郎『戦後政治史』(いずれも岩波新書)=この2冊は教科書に指定⑪吉村昭『ポ―ツマスの旗』新潮文庫などだった。DVDもいくつか見てもらった。『世界に衝撃を与えた日―真珠湾攻撃、ヒロシマ』(BBC)『児玉源太郎のメディア戦略』(NHK)。このうち「ヒロシマ」は、原爆投下直前の広島の表情として、どこかわからない冬の街場を和服にコート姿の大人が行きかう光景が紹介されていて、思わず笑ってしまった。BBCといえども稚拙だ。権威を信用してはならない。(5月14日)