「ザコ」と読まずに「ざつぎょ」と読む。もう20年近く前の話になる。根っからの同志、いやそれ以上と最も信頼していた人物に“闇夜で背中から袈裟がけにバッサリ斬られ、古井戸に蹴落とされる”というような体験をしたことがあった。まさかのことに、しばし茫然自失。奈落の底から遠い天空を見上げる思いで永い年月を過ごしていた。そんな時、親友のF木ちゃんが、いみじくもこう言った。「文化が違うんだよ、あっちとは。所詮俺たちは雑草、雑魚の類(たぐい)なんだから」

  以来「雑魚(ざつぎょ)」と号して、印章も作ったが、なかなか使う機会がなかった。
日乗は、ご存じの通り「断腸亭日乗」(永井荷風・岩波文庫)のそれ。とはいえ、「三屋清左衛門残日録」(藤沢周平・文藝春秋)「石中先生行状記」(石坂洋次郎・新潮社他)もあるし・・・といろいろあるので書斎、後架、浴槽にて熟考した結果である。(3月3日)

摘録 断腸亭日乗〈上〉 (岩波文庫)

摘録 断腸亭日乗〈下〉 (岩波文庫)

三屋清左衛門残日録 (文春文庫)

石中先生行状記〈第4部(完結篇)〉 (1956年) (新潮文庫)